
キヤノンと京都文化協会は、「綴プロジェクト(正式名称:文化財未来継承プロジェクト)」の第18期作品として制作した、米国ミネアポリス美術館蔵の浦上春琴筆「春秋山水図屏風」の高精細複製品を、岡山県立美術館へ寄贈した。
7月5日(日)まで岡山県立美術館の屋内広場で一般公開している。
キヤノンの技術と京都の匠の技で忠実に再現した複製品
「綴プロジェクト」は、キヤノンと京都文化協会が2007年より共同で推進している社会貢献活動。日本古来の貴重な文化財には、歴史の中で海外に渡った作品や国宝として大切に保管されている作品など、鑑賞の機会が限られているものが多い。
そこで「綴プロジェクト」では、キヤノンの入力・画像処理・出力に至るイメージング技術と、京都伝統工芸の匠の技の融合により、オリジナルの文化財を忠実に再現した高精細複製品を制作している。
制作された高精細複製品は、文化財にゆかりのある社寺や自治体・博物館などへ寄贈。寄贈先での一般公開や学校教育の現場において、複製品ならではの鑑賞体験を通じて、多くの人に日本の文化財に触れられる機会を創出している。
これまでに、葛飾北斎や俵屋宗達、尾形光琳の作品など、60作品を超える高精細複製品が制作されてきた。
江戸時代の文人画家・浦上春琴の代表作の複製品を制作
「春秋山水図屏風」は、大画面に巧みな構成で山水を表した屏風の大作。右隻には春、左隻には秋の風景が、墨と淡彩で絹地に美しく描かれ、それぞれの情景を詠んだ詩も添えられている。
作者である浦上春琴は、現在の岡山県である備前国に生まれ、江戸時代後期に活躍した文人画家。「春秋山水図屏風」は、代表作の一つに数えられている。
原本は米国ミネアポリス美術館に所蔵されており、日本での鑑賞の機会は極めて限られる作品。今回、ミネアポリス美術館が「綴プロジェクト」の活動主旨に賛同し、高精細複製品の制作に至ったという。「春秋山水図屏風」の高精細複製品は、キヤノンのイメージング技術と京都伝統工芸の技の融合により実現した。
春琴ゆかりの岡山県の美術館に寄贈し、里帰りを実現
制作された高精細複製品は、浦上春琴作品をはじめとする岡山県ゆかりの作品を数多く所蔵し、地域の芸術文化振興を担う岡山県立美術館に寄贈され、春琴ゆかりの地・岡山県への里帰りを実現した。
高精細複製品の制作にあたっては、キヤノンのフルサイズミラーレスカメラでオリジナルの文化財を撮影し、独自開発のカラーマッチングシステムを用いた画像処理を行った上で、12色の顔料インクを搭載した大判インクジェットプリンターで出力。さらに、京都の伝統工芸士が屏風に仕立てることで、オリジナルの文化財を限りなく忠実に再現されている。
寄贈作品は、岡山県立美術館の地下1階屋内広場にて、7月5日(日)まで一般公開している。この展示は、ガラスケース無しで間近での鑑賞や写真撮影を楽しめるのが特徴だ。
なお寄贈作品は、展示終了後も同館での展示やイベント、教育普及事業などでの活用が予定されている。
高精細複製品として忠実に再現された名作を間近で鑑賞してみては。
■浦上春琴筆「春秋山水図屏風」高精細複製品展示
展示期間:6月10日(水)〜7月5日(日)
会場:岡山県立美術館 地下1階 屋内広場
住所:岡山市北区天神町8-48
公式HP:https://okayama-kenbi.info
(ASANO)